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お散歩ハラスメント

これ、実は私が考えた造語なのですが、診療中に多くの飼い主の方から相談を受けたことがきっかけで使うようになりました。

それは、彼らがペットと散歩しているときに他人からかけられる何気ない一言によって、とても嫌な気分になることです。

例えば、治療の補助としてエリザベスカラー(傷などを自由に舐めたりできないようにするシャンプーハットのような形状のもの)をつけていると「何それ!ファッションなの?日除けなの?」とか「あんな物つけて、かわいそうにね。」とか言われるらしいです。

また、皮膚病の治療中でわざと毛を短くしているのに「寒いのに毛を短くしてかわいそうね。」とか「早く動物病院に行けばいいのにね!」とか言われるらしいです。時には虐待をしているのでは?という意味に受け取れる言葉まで耳に入るというのです。また、減量中や、病気で食べ物を制限しているのに、「餌」や「ジャーキー」を持って公園で待ち受けている迷惑な人もいます。

普通、歩いていて見知らぬ他人に向かって「あなた、随分太っているわね。」とは言わないはずです。ところがペットを連れていると親しげに近寄ってきて「この子(犬)ずいぶん太っているわねぇ」と飼い主の方に向かって言ってしまうのです。
ペットが入院中だったり、自宅で長期に療養していて、飼い主の方が一人で歩いていると「最近何々ちゃん見ないけど、どうしている?元気?」と聞かれることがあります。ペットが病気になったのは自分のせいではないかと悩んでいる方には辛い言葉です。中には、その問いにいちいち答えて説明をすることに苦痛を感じて外出できなくなる方もいます。

これらは、『ハラスメント』ではないかと思うのです。『ハラスメント』とは、何かをして相手を苦しめたり、悩ませたりすることですよね。ペットを連れていると知らない方とコミュニケーションをとる機会が増えます。それはとても良いことだと思います。しかし、ペットと一緒だと気遣いのボーダーラインが下がってしまう傾向があるようです。世の中にはこんな嫌な気分を味わっている方も沢山いるということを知ってもらいたいと思います。

ペットは今や、「コンパニオンアニマル」と呼ばれ、自分の人生にかかせない伴侶として暮らしている方も数多くいらっしゃります。話題はペットの事でも、話しているのは人間同士です。親しい仲にも礼儀あり。まして他人ならなおさらです。少しの心遣いを持って行動していただきたいと思います。